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最高裁判所第三小法廷 昭和56年(あ)275号 判決

主文

本件上告を棄却する。

理由

弁護人村岡啓一、同横路民雄の上告趣意のうち、歯科医師法一七条の規定の憲法三一条違反をいう点は、歯科医師法一七条にいう「歯科医業」の意義が不明であるということはできないから、所論は前提を欠き、歯科医師法一七条の適用の憲法一三条、二二条一項違反をいう点は、印象採得、咬合採得、試適、装着等の行為が歯科医業に属するとして歯科技工士による右行為に歯科医師法一七条を適用することが憲法一三条、二二条一項に違反しないものと解すべきことは当裁判所の判例(昭和三三年(あ)第四一一号同三四年七月八日大法廷判決・刑集一三巻七号一三二頁)とするところであるから、所論は理由がなく、その余は違憲をいう点を含め、実質において単なる法令、量刑不当の主張であつて、刑訴法四〇五条の上告理由にあたらない。

よつて、同法四〇八条により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

(裁判官 伊藤正己 裁判官 環昌一 裁判官 横井大三 裁判官 寺田治郎)

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